この講座で学べること

イギリスに旅行に行ったことがある人なら、都会から出ると緑豊かな丘や草原が広がっているのを見たことがあるかもしれません。

イギリスの首都ロンドンは大都会ですが、そんなロンドンでも、電車や自動車に乗って少し離れるとだんだん建物がみられなくなり、市民農園や運動場が見え、その先は羊や牛がのんびり草をはむ野原、麦やキャベツなどの農作物が育っている農地、樹木の生い茂る林などが見えてきます。

その合間に小さな村々がこじんまりと現れては消え、そのうちまただんだん道路や建物が増えてきて、次の街に着いたことがわかるといった具合です。



日本だと、東京や大阪などの都会は行けども行けども建物、車、人がひしめきあうにぎやかな風景が続きます。

少し都心を離れても幹線道路沿いに駐車場付きのロードサイド店舗がリボン上に並んでいて、その向こう側に住宅地が広がっています。


イギリスではどうしてこのような風景とならないのでしょうか?

それは単なる偶然ではなく、都市の無秩序な拡張を防ぐために「グリーン・ベルト」と呼ばれる緑地帯をもうけているからです。


「グリーン・ベルト」はイギリスの都市計画において重要な役割を果たしています。

都市と都市の間にグリーン・ベルトを作り、その区域内の開発を原則として認めないという規制をすることで、アーバン・スプロール(都市の拡大)を防いでいるのです。


このようなグリーン・ベルトは人口密度の高い都市の住民にアクセスが可能な緑のオアシスを提供しています。

田園好きで自然に触れることにことのほか価値を置くイギリス人にとって、グリーン・ベルト政策は強い支持を得て、戦後守られ続けているのです。


この講座では、グリーン・ベルトがどうしてできたのか、その制度はどのようなものなのか、イギリスのどこにどれくらいグリーン・ベルトがあるのかをみていきます。

この講座を学ぶことで、イギリスでどのようにアーバンスプロールを防いできたのか、その手法がわかります。


また、イギリスのグリーン・ベルトをお手本にして日本でもその手法を導入しようとした試みについても触れています。

あなたが東京や大阪、名古屋などで行ったことのあるところがその名残であるかもしれません。



この講座は次のレッスンからできています。

Lesson 1 グリーン・ベルトの歴史

Lesson 2 イングランドのグリーン・ベルト

Lesson 3 イギリス政府のグリーン・ベルト政策

Lesson 4 国民のグリーン・ベルト支持

Lesson 5 グリーン・ベルトにおける開発と課題

Lesson 6 日本のグリーン・ベルト


【復習クイズ】

それぞれのレッスンの後に復習のためのかんたんクイズを加えました。

レッスンの内容を理解したかどうかをチェックしてみましょう。


【文書・ビデオ・音声教材】

この講座はテキスト文書で読むこともできますが、それをまとめたビデオも用意しています。

(カリキュラムの最後をごらんください。)

ビデオはスライドと音声でレッスン内容を説明していますので、ビデオとしても音声だけでもご利用になれます。

お好きな方法で読んだり見たり聞いたりしてください。

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