この講座で学べること
日本の出生数は1975年に200万人を割り込み、それから約40年後の2016年には100万人を下回りました。
年間平均にすると2.5万人ずつ出生数が減少してきたわけですが、最近になってさらに少子化が加速してきています。
2019年の出生数は86.5万人、2020年には85万人を割り込む可能性が高まっています。
2020年は新型コロナウィルスの流行で、世界的に出生率が落ち込みました。先行きがわからず、医療や経済面での不安から妊娠をためらう人が多いのです。
新型コロナウィルスが収束してこれまで通りの生活に戻るとしても、これからさらなる少子化により、人口減少や高齢化が進んでいくことが予想されます。
日本の人口はピーク時の2017年には約1億2800万人でしたが、今世紀末までに5300万人以下に減少すると予測されています。
人口が減ること自体が一概に悪いこととは言えないのですが、現役世代が高齢者を支える社会保障制度が成り立たなくなることは問題です。高齢者が増え続け、数が少なくなっていく若者の負担が増えることで、経済的に苦しくなり子供を持てなくなるという悪循環に陥る可能性もあります。
少子化にはさまざまな原因があり、一概に論じられることではありません。
先進国では軒並み少子化が進むということから、かつては女性が社会進出をすることが少子化の原因であると言われていましたが、ことはそうシンプルではありません。
先進国の中でも、ジェンダー格差が少なく、男女の役割分担や社会的ステータスが固定化されていない国ほど出生率が高いというデータがあります。
さらに、日本国内の出生率の内訳をみてみると、都会では低いのに地方ではそれほどでもないというアンバランスが見られます。
日本の場合、若い女性が地方から都会に出ていくことが国全体の少子化の原因の一つとなっているのです。
ここでは、おもに日本の少子化の実態とその理由や背景を見ていきます。そして、その問題点を整理し、解決のために何ができるのかを考えます。
少子化問題への取り組みについてヒントとなるような、各国の事例も交えてみていきましょう。
この講座は次のレッスンからできています。
Lesson 1 少子化が加速している
Lesson 2 少子化なのに待機児童?
Lesson 3 少子化の本当の理由
Lesson 4 少子化解決のカギは地方創生
Lesson 5 海外事例から見る少子化解決策
まとめ:子育てしやすい国やまち
【復習クイズ】
それぞれのレッスンの後に復習のためのかんたんクイズを加えました。
レッスンの内容を理解したかどうかをチェックしてみましょう。
【文書・ビデオ・音声教材】
この講座はテキスト文書で読むこともできますが、それをまとめたビデオも用意しています。
(カリキュラムの最後をごらんください。)
ビデオはスライドと音声でレッスン内容を説明していますので、ビデオとしても音声だけでもご利用になれます。
お好きな方法で読んだり見たり聞いたりしてください。